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ZEPII SW-90を改造
2015.08.02ギターのカスタマイズ
この記事の製作・改造・作業内容
ZEPIIのSW-90を改造
20年以上前に新潟のあぽろんという楽器店でで中古購入したZEPIIのSW-90。
ESPが廉価ブランドで出していた、ストラト・シェイプで本物フロイド・ローズ付き1ハムバッキング・ピックアップ、1VOLのメタル仕様ギターだ。
2万円くらいだったかな。パーツ取り用で購入したみたいなところもあって、ほとんど使用していなかった。
ネックは元々はメイプルだが、IBANEZのRGと入れ替えてローズウッド指板、ネック裏オイルフィニッシュのやつを付けてある。
フロイドは初期タイプのアンカー無しスタッド・ボルト直埋めタイプ。レスポールのブリッジ・スタッド同様に直埋めによる効果で弦振動をボディに効率よく伝達できるのが特長で、最近のアンカー仕様タイプをわざわざスタッド・ボルト直埋め仕様に変更するマニアもいるくらいだ。
逆にデメリットもある。ボディが柔らかい材質の場合、スタッドが弦の張力に負けて徐々にヘッド側に倒れてくる現象がそれだ。ネット上でもIBANEZのバスウッド・ボディのギターで同様な症状が多数報告されている。
この個体も購入した時点で6弦側のスタッドが既に軽く前掲していた。
SW-90のボディはカタログ上の記載が無く不明だが、記載が無いという事自体が安い材の使用を暗に認めているような気がする。バスウッドかもしれないな。
ネックとの兼ね合いでスタッドはかなり高い位置にセットされており、そのためボディ面から弦までの距離が通常のストラトよりも長くなっている。
改めて感じたことだが、この距離がレスポールに近くて自分のピッキング・フォームに非常にマッチしているのだ。
普通のストラトがどうも弾きにくかったのは、そういうことだったのか。
今回はこのSW-90を2ハム仕様に改造する。
ピックアップ・セレクターは、好みのレスポール用トグルスイッチではデカくて存在感があり過ぎるのでミニスイッチにしてみようと思う。
梅田のESPで下記のものを購入。
・6P ON-ON-ONのミニスイッチ
・エスカッション
・エスカッション用ビス
さらに梅田の東急ハンズでスタッド穴補修用タイトボンド、近所のホームセンターで10mm径ドリルビットのミドル・タイプを購入した。ドリルビットの長さは本当は20cm程欲しかったが、15cmくらいのやつしか無かったので若干の不安を覚えつつコイツにした。
工程1. スタッド穴補修
ベストは堅い木で埋め木してから改めて垂直に穴を掘りアンカー・タイプに変更することだろうが、埋め木の技術も垂直に穴を開けるボール盤も無い。音響面のメリットも捨てがたいのでこの策は元々却下していた。
次に、スタッド穴を埋め木してから改めてスタッド用の穴を開けることなんだろうが、これも前述の理由で断念。
とりあえず応急処置としてパテで前傾部分を補修することにした。
ここは様子を見ながら木クズとボンドを混ぜるとかで後々対応したい。あんまりアーミングしないから症状が劇的に進行していくことは無いだろう。
工程2. フロント・ピックアップ用ざぐり加工
リアのざぐり位置と指板のエンド位置からざぐり位置を計測。ドリルで数か所掘った後、ノミで形を整えていく。
ノミを打った時の音が「カン」「カン」とよく響き、鳴りの良さを予感させる。ご近所さんには迷惑だが。
エスカッション固定用ビスのためのスペースを残しながら掘らないといけないのでちょっと面倒だが、何とかできた。
勿論素人の手加工なので形はいびつだし、一部表面の塗装が欠けたりしてしまったが気にしない。
ボディ材はバスウッドでできたIBANEZのRGを掘った時よりも固く感じた。バスウッドじゃないのかも。
さらに、フロント・ピックアップのリード線をコントロール用ざぐりまで到達させるべく、リア・ピックアップのざぐりと今掘ったフロント用ざぐりを繋ぐトンネルを掘らないといけない。
そこで、ネック・ポケットからリアのざぐりまで長いドリルビットで一気に穴を開ける作戦だ。
しかし、ミドルのドリルビットを使ったところ、購入時の心配通り若干長さが足りなかった。
仕方なくボディ表面を削らないようリア側から斜め下にトンネルを掘ったところ、ボディ裏のスプリング・ハンガーまで貫通してしまった(汗)。
やすりで開通ポイントを広げる加工を施し、なんとかトンネル開通。
想定外の状況に臨機応変に対応していくのもDIYの楽しい所だ。(冷汗)
工程3. ボリュームポット用穴あけ
ピックアップ切替用ミニスイッチを手前のボリュームがある場所に設置するため、新たにボリュームポット用の穴を開けなければいけない。
裏のコントロール・キャビティ用ざぐりで穴を開けられる場所がある程度限定されているので、適当な位置を決めて裏からドリルを使用。穴の径をスイッチとポットそれぞれのサイズに合うようにヤスリで加工した。
工程4. 電装系
6Pのミニスイッチの配線が良く解らない。
取りあえず対になった2個の端子の片側に上から、フロントのホット、ボリュームポットへのリード線、リアのホットを繋げてみた。
リア・ピックアップは、元から付いていたESPオリジナルと思われる直流抵抗10kΩのヤツがボディの鳴りとの相性が良い感じだったのでそのまま採用。
フロントは余っていたIBANEZ RGのヤツを使ってみたがノイズ大発生したので没に。
GRECOストラトのフロントに収まっていたGIBSONのヤツ(多分490R)を移植してみた。
ネックがはずれた状態でアンプに繋ぎ、スイッチを切り替えてピックアップが音を拾うか音叉でチェック。
フロント側→フロントのみ鳴る。
センター→フロントのみ鳴る
リア側→リアのみ鳴る。
ということで、センター位置にした時がおかしい。やはり何か間違っているようだ。
ちょっと調査が必要だ。
工程5. セットアップ
ネックを組み込み、ブリッジなどはずしていた各パーツを設置、弦を張って音出しチェック。
ブリッジの高さを調整しながらチューニングしていると、6弦側のスタッドが前傾してきた。
パテの補修の効果で前掲角度は以前よりは浅くなっているが、根本的な補修にはなっていなかったようだ。
スタッドのネジ山側が前傾しているという事は、逆の先端側がボディのエンド方向に傾いているという事なので、その部分をしっかりと埋めないといけないようだ。いずれ様子を見てタイトボンドとか木くずで対処しよう。
演奏面や出音に致命的な支障は無いので、現時点ではこれで良しとする。
感想
IBANEZネックに搭載されたジャンボ・フレットのプレイアビリティとフロイド・ローズ スタッド直埋めタイプの鳴りが気に入っていたので現在の自分好みの仕様にしたかった。
フロント・ピックアップ用ざぐりでかなり大きな穴を開けたことによる鳴りへの影響はほとんど感じない。
急きょGRECOから移植したフロント・ピックアップの甘いトーンも良い感じだ。
ストラト・シェイプなのでディンキー・タイプのように大胆にカッタウェイが抉れておらず、1弦22Fのチョーキング時にちょっと左手がひっかかる感じもする。
これだとレスポールの方が弾きやすいくらいだが、これは慣れだろう。
648mmスケールなので高域のフレット間隔がレスポールよりも広く、違和感を感じるのも慣れの問題かな。指板を見ながらプレイすると、レスポールなら人差し指と薬指で弾くところが人差し指と小指になっちゃうんだな。
工程6. スイッチの配線
後日、元々左のようにしていたのを右のように変更。
フロント、ミックス、リアの全てで音が出るようになりました。
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