ARIA PRO II PE 大改造レストア 第二週目

ギターのカスタマイズ

この記事の製作・改造・作業内容

指板ポジション・マークの入れ替え

今週はポジション・マークを入れ替えて、さっさとフレット打ち替えまで行く予定でした。
しかし、ウィークデーに色々と作業の下調べをしている間に、余計な邪念が持ち上がってきました。で、そのおかげで作業が大幅に遅れることになった第二週であります。

とりあえず、ポジション・マークの入れ替えです。
現状はくすんだ樹脂素材のヤツが入っておりましたが、こいつを本物の白蝶貝に交換します。
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小さい穴を開けて、そこからテコの原理でサクッとほじくろうとしましたが、これが全く微動だにしません。
そこで、ポジション・マークを予めアイロンで温めて柔らかくしてからやってみました。すると、タコ焼機でタコ焼きをひっくり返すような要領で取れました。手間と力加減はタコ焼きの数倍かかりましたが。
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穴にはカチカチに硬化した接着剤が充填されています。透明なので穴の底まで見えます。ポジションによってその深さに違いがありますが、写真の1Fの穴のヘッド側は特に深く、厚さ1mmに達しようかという程接着剤が盛られていました。
かなり強固なので木部も一緒にチップさせてしまうのでは、とビビリながら彫刻刀などを使ってある程度まで掃除しました。
10か所全部取ったら、指板アールの調整です。元々結構フラットな感じでしたが、この日のために購入した16インチ=400mmのラディアス・ブロックに150番の紙ヤスリを両面テープで貼り付けて軽くサンディングしました。
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ヘッド側から見てみました。
指板面の両サイドに黒白のパーフリングが巻かれています。
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そして、レスポール・カスタム用サイズにカットされた10枚セットの白蝶貝インレイをセットしていくわけです。
が、微妙に現状ポジション・マーク穴のサイズが小さいので、ノギスで測りながらヤスリで削って現物合わせをしていきます。
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これが、めちゃくちゃ大変でした。
10枚全部サイズを合わせて、はめ込んでサンディングまで、4~5時間くらいかかったような気がします。貝はすごく丈夫です。
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で、入れてみたのがこちらの図です。
おや?指板サイドに、なにやらアバロンのようなものがありますね。
そうです。これが冒頭の邪念の正体です。

指板にパーフリング埋め込み

先ほどの指板をヘッド側から見た写真に写っていたパーフリング部分を削ってアバロン・シートを貼ってみました。

しかし、微妙に表面が凸凹していますし、アバロンの派手な模様で隠蔽できるかなと思っていた不揃いな幅も、よく見ると見苦しいものがあります。
うーん。結果的には2つの部分で失敗していたことになります。
まずは、パーフリング部の精密な掘り加工。
ここは2mm幅でアバロン・シートの厚さに合わせた深さ0.3mmの溝を掘らないといけないのですが、いくら高性能2mm幅彫刻刀を持ってしても、所詮は素人の手彫り。なかなか上手く幅と深さを出せません。
そして、もうひとつはアバロン・シートを2mm幅に切る工程。
アバロン・シートは薄いアバロンをいくつもラミネートして集成したもので、お湯に浸けて暖めたりもしましたが、なかなかキレイに切れません。

ということで、人力での「まっすぐに掘る」「まっすぐに切る」技術の難しさを痛感した次第です。

次の日。
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アバロン・シートを撤去して、ピックガード用パーロイド板を2mm幅に切って入れてみることにしました。
元がピックガード用なので、厚さが2.5mmほどあります。さらに指板部を深く掘ってみました。ついにパーフリングを突き抜けて土台の木部にまで達しました。

で、結論から申しますと、パーロイド板作戦も2mm幅に切り揃えるのが難しく、この作戦は中止。
後日、大和マークさんから厚さ1.5mm、幅2mmのパーフリングを購入しました。
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上の写真は、溝をタイトボンドやアロンで埋めて大和マークさんのパーフリングを設置した状態。
指板全体をサンディングしてパーフリングの出っ張りを均し、水性ポアーステイン黒で茶色ローズウッド指板を黒く染めます。綿棒を使用して4~5回刷り込むように塗布しました。
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次はフレット打ち替えです。
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